北海道開発局の水質事故対応知識の向上勉強会に講師を派遣しました
10月17日釧路開発建設部釧路河川事務所にて、河川における水質事故時の初動対応や水質に関する知識向上の勉強会が行われ、当社から講師を派遣しました。
この勉強会は、北海道開発局が取り組んでいる技術力向上プロジェクトの一環で、当社が加入する(一社)建設コンサルタンツ協会北海道支部が、北海道開発局と連携した技術力向上の取り組みを行っていることから協力させていただきました。
水質事故は、有害物質の流入や自然現象により発生する水質異常です。規模や原因物質によっては 取水停止や生態系の破壊等、社会生活や自然への重大な影響を及ぼす場合もあるため、その対策は河川管理上重要な課題です。原因物質に着目すると、発生件数の約8割を占める油は、オイルフェンスやオイルマットを用いる基本対策法が確立されており、全国的に対策勉強会や訓練が行われています。
一方、油以外が原因の事故は油事故より発生件数は少ないものの、上水道の取水停止や魚大量死など重大事故となった事例も多く報告されています。物質ごとに調査法・特性・毒性・処理法などが異なることから対応が難しい課題が有るため、当勉強会では油以外が原因の事故を取り上げ、原因物質別の事故事例や対策を講義しました。
特に難しいケースとして原因者と原因物質が不明な場合が挙げられ、秒単位で河川での流下拡散が進行する中、原因物質を迅速に特定(推定)できるかが、事故対策の鍵になります。当社には物質化学や分析化学分野の博士、技術士、環境計量士、公害防止管理者などが複数在籍しており、高度分析機器を活用した事故対応実績があります。ご参考として、通常の環境監視分析法とは異なる「ノンターゲットスクリーニング分析法」と呼ばれる一斉分析法により、原因者と原因物質の特定につながった事例もご紹介しました。
参加者からは、実態に即した現場での具体的行動などの質疑や議論が活発に行われ、今後の河川管理に向けた有意義な活動となりました。
H28年10月25日 北海道建設新聞
記事掲載について、北海道建設新聞より許諾を得ています